よろず鳥報

簡単、迷走、痛恨

映画「軍中楽園」

2014年に公開された台湾映画。軍中楽園とは、軍人向けの公娼施設のこと。精鋭部隊から落ちこぼれて、その施設「特約茶室」へ配属になった青年が、この映画の主人公です。
二時間半近い大作で、仕事あがりにレイトショーで観るのは少々ヘビーだな、と思って、二の足を踏んでいたのですが…結果的に、上映中に観にいけてよかった。想像以上に大きい話でした。昨年「台北ストーリー」を観た時も、話が大きすぎて二回観にいくことになったけれど。もしかすると、台湾映画の傾向なのかもしれない。

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主人公が問題を解決するタイプの物語では、視聴者が主人公になりきれるヒロイズムだったり、問題解決のカタルシスが醍醐味になるけれど。「軍中楽園」は、そのどちらもない。問題は解決しないし、悪い方、悪い方に転がっていく。だけど悲惨ではない。ハッピーエンドでもバッドエンドでもないし、善でもないし悪でもない。どこまでもニュートラルで、鳥にでもなった気分です。
日本で、いわゆる従軍慰安婦の映画なんか撮ったら、カンカンガクガクの話になって、公開するどころではないでしょう。それが淡々とできることの素晴らしさといったらないですね。
まちがいなく、今年みた映画の中でいちばんの作品です。

監督の名前よりでかでかと、ホウ・シャオシェン プレゼンツとクレジットされていて、誰なのかと思いましたが、「台北ストーリー」で主演していた侯孝賢(ホウ・シャオシェン)さんでした。台湾映画の伝統は、こうして脈々と受け継がれているのですね。これからも、台湾映画から目が離せません。

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